「これ、お母さんからです。」
久しぶりに会った女の子から、小さな袋を2つ貰った。
その子が初めてやってきたのは、この前の冬期特訓講座。
夢現塾のチラシも入らない、幸田校から遠い場所に住んでいる彼女。
冬期特訓講座以降、毎週通うのは保護者の方も負担となるだろう…。
だからせめてこの冬の短い期間だけでも、夢現塾の授業を堪能してもらいたい。
僕らはそう思い、その子と接していた。
それから2ヶ月…。
3月からのクラス増設のタイミングでその子は夢現塾生となった。
そして先週、最初の通常授業。
「これ、お母さんからです。」
2ヶ月ぶりに会った女の子は、袋を確認しながら
「こっちが目黒先生で、こっちが高橋先生のです。」
と小さな袋を2つくれた。
中には消しゴムが入っていた。
「目黒先生と僕の消しゴムには何か違いがあるの?」
「目黒先生の方が“ハンバーグ”の匂いで、高橋先生が“からあげ”の匂いの消しゴムです。」
「それは人によって決まっているの?」
「はい。お母さんが昔の日報を見て、目黒先生はハンバーグが好きで、高橋先生はからあげが好きだって見つけたみたいです。あとからあげはシークレットだそうです。」
「本当?からあげ好きだから嬉しいよ。目黒先生もきっと喜ぶよ。ありがとう!」
と言って受け取った。
僕はからあげが大好物の1つである。しかし日報に書いた思い出は、すぐには出てこなかった。
授業が終わり、目黒先生と一緒に消しゴムの匂いを嗅いでいた。
そして今までの日報を思い出していた。
目黒先生と僕は今まで夢現塾の日報を、いくつも書いてきた。
覚えている内容もあれば、うっすら覚えている内容もあれば、まったく覚えていない内容もある。
この時の目黒先生と僕は、全く心当たりがなく、
「書いたっけ?」
「書きましたっけ?」
消しゴムを鼻に近づけながら、繰り返しブツブツ言っていた…(苦笑)。
記憶に頼るのを諦め、僕は携帯電話で検索した…。
「ありました!!」
2人きりの事務室で僕は叫んだ。
昨年の僕の日報に『からあげ』の文字が!
さらに
「すごーいっ!!目黒先生のもありましたよ!!いつの日報だと思います?」
3年前の目黒先生の日報に『ハンバーグ』の文字が!!
それから僕らは、入塾する前から(いや正確に言うと、もっと前の数年前から)夢現塾の日報を読んでいただいていたという、お母様の熱量に感服した。
ここまで夢現塾の日報を読みこんでいただいている保護者の方は数少ない。
僕は時々思っている。『僕の今日の日報、誰か読んでくれているのか?』と…(苦笑)。
読んでくれていると聞いただけでも十分にありがたいことなのに、このような感動を与えてもらったことに感謝したい。
これは夢現塾としても、公式に“夢現塾日報マニア”の称号を与えても異論はないだろう!
お母様“夢現塾日報マニア”として認定されましたよ!!(記念品等はありませんが…。)
このことは直接伝えません。
“日報ファン”には“日報”で伝える。
それが夢現塾日報マニアの方への、僕からの敬意の表し方である。
お母様、これからも日報共々よろしくお願いいたします。
あと“静かなる日報ファンの方々”も、これからもよろしくお願いいたします。