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蛇口をひねる権利(宮)

2026.07.15

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今月初め、ソニーが2028年1月をもって PlayStation向け物理ディスク生産を終了し、デジタル販売(つまりダウンロードのみ)に完全移行すると発表した。

「消費者のトレンドに適応するための取り組み」だというが、これは個人的にはとても残念なニュースだった。

なぜならこれからの時代は、ゲームを「所有」することができなくなる、ということを意味しているからだ。

またダウンロードしたデータ(ゲーム)は売ることができないのだから、これは中古販売の業者にとっても大打撃だろう。

それほど頻繁にするわけではないのが、今後は数少ないクリアしたゲームのパッケージを壁に並べて悦に浸ることができなくなるということで、非常に寂しい。

 

「今後我々は、蛇口をひねる権利をお金を出して買うことになる。」

 

と例えている人がいたが、まさにその通りだ。

これは音楽においても同様で、いまや音楽を聴く方法はサブスクが主流で、CDを買ったことがないという声を生徒からもよく聞く。

まさにその「権利」を得るためだけに、月々の支払いを続ける人たちがほとんどのようだ。

いまだに月に何枚もCDを購入する僕からすれば、「所有する喜び」「所有したい欲」ってないのかな?と不思議になることもしばしば。

そこでちょっと調べてみたところ、昨年2025年の日本のCD総販売枚数は、約9,120万枚(CDシングルとCDアルバム合計)だそうだ。

ピークの2000年に約3.81億枚というから、ピーク時から比べると約1/4ということだが、体感的には1/10以下といった感じだ。

その理由として、目に見えてCDレンタルショップはなくなったし、CDを売っている店もあまり見当たらない。

またあったとしても品ぞろえは非常に残念なもので、僕が欲しいCDは専門店でないと置かれていないような状況なので、もっぱらAmazon頼み。

このようにCDでもゲームでも書籍でもそうだが、物理媒体がなくなるのを悲しむのは、年寄りのセンチメンタルなんじゃないか、と思われてしまうかもしれない。

いや、でも本当にそうだろうか?

表現の自由を守るうえで、書籍や円盤(CDやDVD)といった物理媒体は、絶対になくてはならないものである。

たとえば音楽。

ある国でアーティストがライヴをするときは、いまだに演奏する曲の歌詞が全てチェックされている。

いわゆる「検閲」というやつである。

歌詞に(その国や政府にとって)問題がある場合は、ライヴのセットリスト(曲目)からその曲は外されることになる。

じゃあ Rage Against the Machine なんか、絶対ムリじゃん(笑)

(※実際ある国では彼らの楽曲は、CDはもちろんダウンロードもできない曲が多数ある。)



このアルバムジャケット(※この写真が何を意味するか気になったら、自分で調べてみてね。かなり衝撃的です。)からも、その政治的メッセージの強さが分かる。

(※ちなみにギターのトム・モレロは、ハーバード大学卒業というから驚きだ。)

 

これをダウンロードとCDで考えてみよう。

何か問題を起こしたアーティストの作品が回収された例は、過去に日本でもある。

例えば12年前に、CHAGE and ASKAのCD回収、出荷停止、配信停止がされた。

一時的とはいえ、社会から彼らの作品が「抹殺」されたのだ。

過去にダウンロードされたものはデータとして残るものの、形は残らない。

その存在を世の中から「なかったもの」にすることは、物理媒体よりもデータの方がはるかにたやすいことだろう。

これってとても怖いことで、我々の表現の自由を脅かすことを意味しているのではないだろうか。

一国の統治者の思想信条や社会の風潮で、その存在も過去すらも、社会から消し去ることだって可能だ。

しかしながら、誰かの手に渡り保管、保存されているものは、その存在の証拠を形として残すことができる。

”収集”とは、失われていくものの、その存在の証拠とその価値を守ることだ。

形のないデータだけの保存では、ゲームに限らず音楽作品も文芸作品でさえも、消えてなくなる可能性が非常に高いといえる。

 

1989年、音楽業界はレコード盤からCDへ一気に移行され、新譜のレコード盤が世の中から消えたのを僕は覚えている。

同年4月、日本は消費税(3%)が導入され、CDの値段が少し下がったのも覚えている。

(※それまでは「物品税」がかかっており、CDは「ぜいたく品」扱いだったので税率が高かった。)

しかし、このレコード盤がなくなって30年以上が経ち、改めてレコード盤が見直され始めた。

そしてついに2022年、アメリカではCDとレコード(海外では VINYL:ヴァイナル)の売り上げ枚数が逆転したという。

世界的ヘヴィメタルバンド「メタリカ」は、CDよりもレコードのほうが売れまくって、2023年にはついにプレス工場ごと買い取ってしまったというニュースを聞き、さすがはメタリカ!と思わず笑ってしまった。

ダウンロードの時代が過ぎ、今後CDが見直される時代が来るかもしれない。

その時、スゴイ価値あるものが僕のCDの棚からも出てくるかもしれない。

だからやっぱり、僕はこれからもCDを買い続けることにしよう♪

でも・・・

その時まで、生きてないかもな~(笑)

 

<追記>

僕の持っているCDで、最も古いものがこれ(1984年製)。


たぶん30年位前に、中古CDショップで1500円くらいで購入したと思う。

1984年当時少年ジャンプは170円(現在は320円)の時代に定価3500円って、いかにCDが贅沢品だったかがわかる。

このCDも、東京の専門店とかに持っていけば、高く売れる・・・かも・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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