シマウマの「シマ」を漢字で書くと「縞」となる。
縞模様(しまもよう)とは、2色以上の線や帯が平行に並んだ模様のことだ。その語源は、室町時代に東南アジアの「島々」から輸入された織物を「島もの」「島渡り」と呼び、それに由来するという説が有力だそう。縦縞はストライプ、横縞はボーダーと分類され、江戸時代にはストライプが粋なファッションとされたらしい。
先月、福井県にある年縞(ねんこう)博物館を訪問した。年縞とは、湖沼の底に1年ごとに堆積した層が描く、明暗一対の縞模様のことで、木でいう年輪のようなもの。福井県三方五湖の「水月湖」では、7万年分、約45メートルにわたりこの層が一度も乱されずに連続して堆積しており、世界で唯一の存在だという。
これの何がすごいかというと、この年縞が世界標準の「7万年分の年代のものさし」となっていること。歴史的な遺物や建造物の年代を測る方法に、炭素14年代測定というのがあるが、これだと数10年から数千年の誤差が出てしまうらしい。
それを校正するのがこの年縞。例えばある場所で発掘された遺物に残った炭素14を測定し、約2000年前のものと分かったとする。次に年縞に残った植物片などからその炭素14と同じ層を特定することができれば、その遺物がつくられたのが「2017年前」というようにはっきりさせることができるのだ。
この研究と精度が高まれば、文献が残っていない時代の、歴史的な遺産の正確な年代が分かるようになる。そして、各地のさまざまな「うちの○○が一番古い論争」に終止符を打たれることになるだろう。歴史の教科書に掲載されている資料の年代も更新されるかもしれない。
上記のような専門的な話を抜きにしても、長さ45mの年縞の展示は見ごたえがあり、年縞の所々にはさまった火山灰の層(桜島や富士山など)から、日本の火山活動の凄さを実感できた。そして、今年NHKの番組でこの博物館の特集が放送された後、来場者が30倍になったという広報の話も聞けた。メディアの影響力の凄さもかなりのものだ。