来週から冬期講座が始まる。絶好の復習の機会である。
中3生は入試問題やそれに近い問題を解くことになるが、これまで習ったことを応用して解いていくという意味では、同じ復習である。
復習で大切なのは、どれだけ記憶を定着させられるか。
もちろん、苦手な教科や単元の勉強に関しては繰り返し勉強することが必要になるが、ただがむしゃらに同じことを繰り返しても効率があまり良くない。
そこで今回は、私も少し前から意識している“スタンフォード式暗記術”を紹介しようと思う。
スタンフォード式暗記術とは、世界大学ランキングでは常にトップ10入りするアメリカのスタンフォード大学の研究で導き出された効果的な暗記術のこと。
いくつか方法はあるようだが、みんなが実践しやすいものを挙げていくので、ぜひ参考にしてほしい。
①思い出すこと
作業のように書いたり読んだりしていても、記憶は定着しにくい。
だから、単語や漢字の記憶には小テストを活用したり、歴史の流れや数学の応用問題の解き方などは、授業でやったことを思い出しながらノートに再現したりする。
そして、それを数日から数週間空けて復習することで、記憶が定着していく。
余談だが、私は学生時代友達の誕生日を覚えるのが得意だった。
今でも結構覚えているので、「そういえばもうすぐ誕生日じゃん」といった話をすると、「なんで覚えてるの?ストーカー…?」と冗談交じりにいじられたりもする。(笑)
ただそれは一度で覚えられたわけではなく、カレンダーを見たときに目に入ったり、“12時12分”を見て“12月12日”生まれの友達を思い浮かべたり、ちょっとしたことだが「思い出すこと」が多かったから覚えていられたのだと思う。
②理解と一緒に覚えること
答えを丸暗記しても、記憶は定着しにくい。
だから、ことわざや慣用句・四字熟語などは意味や由来と一緒に覚えたり、理科の問題で「どうしてこれが起こるのか?」などを理解しながら解いたりすることで、記憶が定着していくのだ。
ただ、一人で解決するのが難しい問題と出会うこともあるだろう。そういうときは、私たちを頼ってほしい。
私の元には数学の質問を抱えた生徒がよくやってくるが、「ここまでは分かったんですけど、次にどうしてこの式になるんですか?」「なんで急にこの図形が出てきたんですか?」と、“解説の解説”を求められることもしばしば。
そのときに、ちゃんと順序立てて、理由をつけて、生徒に理解してもらえるように解説することを心がけている。
よく数学の質問をしにくる中3生が「期末の数学、結構いけました!」などと報告をくれたこともあり、やっぱり根本理解が大事なのだな、と感じている。
「こんなに覚えられない…」「こんなの習ったっけ…」と思っている人ほど、自分が授業中にノートを書くだけの作業をしていないか、丸暗記に頼っていないか、思い返してみてほしい。
一気に何もかも覚えるのは確かに大変だが、工夫をして、時間をかけて繰り返し復習していくことで、ちゃんとやったことが知識として定着していくはず。
冬期講座は、最初にも話した通り、いい復習の機会。
授業で問題を解いて満足するのではなく、できなかった問題は家に帰ってからもう一度、二度、三度、解いて復習をして、どんな難しい問題でも自分のモノにできるまで、粘り強く向き合ってほしい。それが必ず結果となって、MJテストや学年末テスト、高校入試につながっていくから。