「三大○○(三○○)」と呼ばれるものが日本中、世界中に存在する。例えば愛知県だと「三英傑」。そう、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人である。すぐにイメージできるだろう。「世界の三大珍味」といえば、トリュフ・キャビア・フォアグラである。すぐに味のイメージができる人は海原雄山なみの美食家であろう。
場所や観光地、祭りなど、さまざまな「三大○○」があるが、興味がある物なら3つとも制覇したくなるものであろう。個人的に制覇したいものの1つが「三大山城」だった。
「三大山城」は、岩村城(愛知県)・備中松山城(岡山県)・高取城(奈良県)とされている。メディアで雲海が有名になった兵庫県の竹田城は含まれないようだ。山城というだけあって道路が未整備な場所もあり、簡単には登城できない反面、達成感や景色のすばらしさを味わえることが魅力的だ。
1つ苦い思い出がある。予備知識なしに道路の案内に従って険しい山道を車で進んだ岩村城。ある程度の登山を覚悟していたが、なぜか車で山頂の本丸跡まで到達しまい、達成感は皆無であった。先達はあらまほしきことなり。(「徒然草」より)
岩村城の失敗を教訓に、予備知識を詰め込んで登城した備中松山城。登山道は整備されていたものの、体力の衰えを痛感しながらの道中であったが、その分天守に到達したときの達成感は十分であった。
そしてこの秋。麓の町まで車で4時間。そこから片道1時間の登山道+季節によってはヘビやハチに要注意という情報からなかなか手を出せず、いや足を出せずにいた高取城。車で山頂近くまで行ける(それでも頂上まで徒歩20分)という情報もあったが、ここは敢えて登山道からと意を決して登城。後日このブログを書いているときにも足の筋肉痛がまだ残っているほどの疲労はあったが、「三大山城」の最後を飾るにふさわしい最高の光景が迎えてくれた。
険しい道と分かっていれば、その分準備と覚悟が必要だ。そして努力することで、その道の向こうに待っているのものと出会うことができる。受験をはじめ、これからの人生で出くわすであろう困難な道。
「高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな」ミスチルの『終わりなき旅』の歌詞のように、ポジティブにチャレンジすることがあってもいいのかもね。
※写真は三大山城ではない竹田城です。ここも駐車場から40分ほど歩きます。