「大きくなっていたんだね」
この言葉に見覚えはあるだろうか。
そう、中1国語で学ぶ「大人になれなかった弟たちに・・・」という話の中の言葉である。
読んだことのない人へ簡単に説明すると、この物語では、戦時中、物資が足りず苦しい生活状況下で暮らす筆者の弟(ヒロユキ)が栄養失調で亡くなってしまう。弟のために棺をこしらえたのだが、思っていたよりも弟が成長しており、用意した棺に入らなかった。それを見た母親が、厳しい状況でも懸命に生き、成長していたヒロユキに対し涙ながらに述べた言葉である。
気づかないうちに、成長していた。
そう。我が家の犬も…。
最近のわたしのマイブームは犬の服を探すことである。
しかし、可愛い!!と思える服はどれもうちのワンコには小さいのである。
小型犬の大きいほうよりも大きく、大型犬の小さい方よりも小さいため、なかなかサイズがない。
そして小型犬の服は可愛いものが多く、大型犬向けになるにつれてゆったりした無地のTシャツのようなものになってしまう。世知辛い世の中である。
そのため、かわいい服にサイズ展開があると、お?!と興奮し購入してしまうのだ。
これは着れるかもしれない!と。
そして家に帰ると…
「がーん。」
入らない。
犬も優しいので、キツイ服をとりあえず着てみてはくれる。
しかし居心地が悪そうに悲しそうな顔をする。
「ごめんね、入らなかったね。」
そういってタンスに仕舞われる服がはや3つ…
毎日だっこをしているのに。
毎日からだをさわっているのに。
犬が大きくなっていることに気づけず、頭の中のイメージで買い物をし、失敗する日々である。
「大きくなっていたんだね。」
無駄になった服を見て私も涙が溢れそうだ。
生徒たちの中でも、座っていると気づかないが、背が大きくなったなぁとびっくりすることがある。
特に中3では、勉強に本腰を入れ始め顔つきが変わったなと思うこともある。
体だけでなく、心と頭も
いつのまにかちゃんと成長していたんだねと
そう思えるように頑張っていってほしい。