2020年。
新型コロナウイルス感染防止に伴い、最初の『緊急事態宣言』が発令された。
3月より学校の一斉休校が順次始まり、休校期間は新学年の5月末まで延長を繰り返した。
卒業式は保護者の参加も不可(または1名のみの人数制限)、入学式は中止または延期の措置がとられた。
世の中の通常が、通常ではなくなった。
“密集”“密閉”“密接”の3密の回避。
運動会・文化祭・修学旅行などの学校行事の中止や縮小。
検温、マスク、アルコール除菌の徹底。
現在でも一部、上記の名残は残っている。
その2020年。
夢現塾では通常の対面式授業を“動画配信授業”に切り替えた。
自習室も“オンライン自習室”に切り替え、イベントとして“ハーフマラソン勉強会(21時間以上の自習)”なども行った。
4月下旬。
本日の日報の主役となる、『彼』が入塾した。
彼は当時中2。
入塾したのが動画配信授業期間であったため、僕が初めて彼と会ったのは6月であった。
彼は勉強もできて、運動もできて、人望もある爽やかな少年であった。
そんな彼は、夢現塾を気に入ってくれたようであった。
中3では授業の日以外でも、毎日のように自習室に来ていた。
彼のお父さんとお会いした時も、「毎日塾に行っているようで、家でも塾の話をしています」と笑顔で言っていた。
2022年。
彼は岡崎高校に進学した。
進学後も夢現塾に何度か来てくれた。
成績も良く、高校のラグビー部でも頑張っていた。
2023年。
夢現塾のLINEに「高橋先生、相談したいことがあるので時間はありますか?」と彼から連絡が来た。
その後相談に来たのだが、彼の現状の自己分析力は非常に高く“勉強と部活の両立”や“進学予定の大学”“将来の方向性”など、今後の明確なイメージはできていた。
話を聞きながら、『社会人よりもしっかりした高校生だな』と終始感心していた。
どこに“相談の要素があるのか?”と感じる内容であった(笑)。
話を聞いたほぼすべての人が「良いじゃん!それ頑張りなよ!」と応援して終わる話だと感じた。
しかし僕は、彼の目指す目標とその後の夢に違和感があった。
そして彼に“僕の考え”を述べた。
「その道も良いとは思うよ。だけどもっと上を目指した方が、世界や世の中を変えることができる環境に行けると思うんだけど…。」
彼はすぐに答えた。
「そうなんですよね。そこが自分でも気になっていて…。」
おぼろげながらも理想とする“さらに高い夢”の話をしてくれた。
それなので僕は言った。
「その夢を本気で目指すなら、東京大学の医学部に行くといいね。」
彼が帰った後、『もしかしたら彼は“今の目標を応援してもらう為”ではなく、より高みに向けて“背中を押してもらう為”に、僕のところへ相談に来たのではないか』と勝手に思った。
だとすると“現状にあった慎重な目標”を言っても素直に応援してくれそうもない、(ちょっとだけ)ひねくれ者の僕を相談相手に選んだ彼は優秀である(苦笑)。
昨年の2025年。
彼は“東京大学理科Ⅲ類(医学部)”を受けた。
しかし東京大学理科Ⅲ類は、言わずと知れた“日本最高峰の医学部”である。
彼はわずか0.41点足りずに、残念ながら不合格となった。
それから彼は1年間頑張り続けた。
東京大学の過去25年分の過去問をすべて2回解き、教科によっては4回解き直しをしたそうだ。
夢現塾LINEで連絡をすると、いつも「期待しててください」と返ってきた。
今年2026年。
彼は再度“東京大学理科Ⅲ類”を受けた。
そして彼は合格した!!
合格の報告に来てくれた彼が言った。
「東京大学理科Ⅲ類を目指したのは、高橋先生が言ってくれたのがきっかけです!」
彼はそのことに感謝してくれていた。
そう思ってくれるのはありがたいのだが、僕はなにもしていない…(苦笑)。
相談に来た時に“感じたこと”を“言ってほしいであろう言葉”を、遠慮せずに彼に言っただけだ。
頑張った彼が素晴らしい!!
僕は彼の人生に関われたことが誇らしかった。
この場を借りて、夢現塾の先生たちや夢現塾に関わるすべての人たちを喜ばせてくれた彼に感謝をしたい!
未来は変わる。
過去は変わらない。
将来の夢は変わる。
目標も変わる。
けれど夢現塾生であったことは変わらない。
親愛なる夢現塾生たちへ。
君たちを、いくつになっても応援し続けるよ。