8月のとある日の六名校。
「よし、みんな。ちょっと外に出てみるか?」
その日のその時間、岡崎市で『サプライズ花火』が上がることを僕は知っていた。(知っていたらサプライズにならない気もするが…(苦笑))。
しかし岡崎市内のどこの場所から花火が上がるのかは不明。
それなので外に出たところで見えない可能性もある。毎年花火が上がる場所であれば、建物の隙間から見えるかなという感じであった。
外に出て数秒。
大きな「ドーン!」という花火の音。
「あっちから聞こえた!」
「近いんじゃない!?」
いつもの花火打ち上げ場所の角度を向いていた僕たちの、期待を裏切る方向から大きな音が聞こえてきた。
僕達は急いで移動をした。
サプライズの花火なので時間は短い。
「ここから見えるよ!」
「すごーい!!」
その日花火が上がった場所は、毎年花火が上がっている場所よりも六名校に近い距離であった。
「先生、はじめてこんなに大きな花火を見ることができました。」
岡崎市の北部から通ってくれている女子生徒が、興奮気味にそう言ってくれた。
2020年の『夏の思い出』。
塾生達と一緒に見ることができた花火。
それは僕にとっての『サプライズ花火』となった。