我が家は5人家族である。
以前日報でも登場した兄は現在横浜に住んでいるため、実質家にいるのは4人…と1匹。
8年前?ぐらいだろうか、「会社の人からもらった!」とダンボールに入った、ガリガリのミニチュアピンシャー(ふーちゃん)を父が持って帰ってきた。否定する者は誰もおらず、すんなり家族に加わった。
どんな生き物がベランダに落ちてこようと、どんな生き物を誰がもらってこようと、我が家は
“来るもの拒まず”である。
インコ、ニワトリ、鳩、ハムスター、カエル、カブトムシ、クワガタ、セミ、トカゲ、鈴虫…
そのおかげか、芋虫毛虫ミミズの三大軟体生物(私が勝手に思っている)以外は、基本平気である。
部屋によく登場するクモやヤスデは素手で掴み、優しく外へと逃してあげる。
触っていたスマホの上にゴキブリが落下してきたときは、さすがに鳥肌が立ったが、目を背けて逃げ惑うほどではない。台所の窓の外には、この時期からヤモリが四六時中張り付いているが、20歳を過ぎた今でも私の妹は、彼らを見るたびに必ず「あ、お友達が来た!」と叫ぶ。加納家では、生物は大歓迎(害虫は困るので嫌ではあるが…)なのだ。
そんな加納家に、さらに新たな家族がやってきた。あ、ヤモリではない。彼らはお友達だ。
この子だ。
名前は「もなか」。2019年M-1グランプリ王者「ミルクボーイ」のネタから引用している。
あだ名は、ありすぎて分からない(笑)
チワワとプードルのミックス犬のため、世間では「チワプー」や「プーチー」と呼ばれている。そのため、最初の1週間はずっと「プーチン」と呼んでいた。
しかし「プーチン」と呼ぶたびに、どうしてもロシア連邦の大統領が頭をよぎってしまう。
結局、家族内での名前論争は、「もなか」におさまった。が、どうしても慣れでつい「プーチン」と呼んでしまう。「プーチン」と呼ばないよう気をつけた結果、呼び名が増えてしまった。母は何故か「ポニョ」と呼び、妹は「ニャオ」、私は「もっちゃん」。父だけが唯一律儀に「もなか」と呼んでいる。
新人もっちゃんには、振り回される毎日。髪の毛は噛まれる。指も噛まれる。服もカバンも噛まれる。どの部屋も彼女のトイレとなり、元々いた、ふーちゃんのハウスの中も彼女のトイレとなった。自分のハウスの水は飲まずに、ふーちゃんのハウスの水を飲む。
そして、2回りぐらい大きさが違う、大先輩のふーちゃんに向かって、容赦なく喧嘩を売りにいく。あまりにも容赦なさすぎるため、ふーちゃんは8個下の赤ちゃんに本気で喧嘩を買うときもある。
が、そんな肝っ玉じゃじゃ馬犬は、実のところまだ生後2ヶ月。ドッグフードもふやかさないと食べられない。にも関わらず、親元を離れて堂々と生きている姿を見ると、いくら動物とはいえ、感慨深くなる。
犬の成長は人よりもはるかに早いのは承知であるが、こちらが何を教えることなくとも、独りで暗い部屋の中で寝ることができ、ここで待ってればごはんがもらえる、自分を呼んでるような感じがしたらとりあえず走って向かうなど、日々学び、すくすくと成長をしている。
身体の成長は必要最低限のことを提供してやれば、勝手に成長していく。が、心の成長は違う。
私たちがどのぐらいの愛情を掛けてやるかによって、大きく変わるのかもしれない。愛情の掛け方によっては、飼い主を思いやる優しい性格になるかもしれないし、一歩違えば、刃を向いてくることもあるかもしれない。
これに関しては人も同じだと感じる。
家族、友人、先輩、後輩…周りの人たちから多くの愛情をもらい、そして与えることで、心豊かな思いやりのある人間に成長するのだろう。
そんなことを考えながら、今日ももっちゃんと格闘している。
私は与える側になりたい。
画面越しでなく、早く夢現塾のみんなに会って、私ができる精一杯の元気と愛情を届けたい。
会えなかった分がすぐ埋まるぐらいに。
そしてまた一緒に成長していきたいものだ。