5月6日(水)。
政府による緊急事態宣言の延長。さらに愛知県の5月末までの学校休校の延長。
夢現塾でも子ども達の安全を考え、5月末まで校舎は使用しないこととした。
ゴールデンウィーク最終日のこの日、そのおしらせを全校舎の玄関に貼りに行くことにした。
岡崎本校→六名校→緑丘校→幸田校、無駄のないドライブコースを考案。
おしらせを貼って回るだけなので、各校舎の滞在時間は約1分といったところか。
全校舎回った後、自分へのご褒美に何か夜ご飯でも食べようと考えていた。
岡崎本校、六名校と貼り出しが終わり、次の緑丘校へ。
僕はアスファルト タイヤを切りつけながら暗闇を走り抜けていた。
緑丘校に近づくと、3階の窓の掲示の一部がはがれていることに気が付いた。
『ついでに貼りなおしていこう』
そう思いながら緑丘校の2階の鍵を開けた。
緑丘校は普段授業をしていない校舎であり、夢現塾の1番最初の校舎。
電話やプリントなどの置き場所、若干のレイアウトは変わっているものの懐かしさが込み上げてきた。
2階の玄関におしらせを貼り、3階の鍵を探した。
緑丘校は、2階と3階で鍵が違う。
2階の鍵は全員が持っているが、3階の鍵は緑丘校に置いてある1つのみ。
さて鍵は…。
探してみるが見つからない。
あれ?
置き場所が変わったのか?
普段来ない校舎だから、(僕が知らないだけで)置き場所が変更したことも十分あり得る。
“夢現塾の美食探偵”または“夢現塾の古畑任三郎”と言われている僕に、解けない謎はない。
とりあえず、探してみよう…。
捜索開始してから5分。
見つからない…。
捜索開始してから10分。
鍵がない…。
井上陽水の『傘がない』が頭の中で流れる…。
『行かなくちゃ 上の階に行かなくちゃ 鍵を見つけ行かなくちゃ 鍵がない~』
捜索開始してから20分…。
なかなか見つからない…。
山崎まさよしの『One more time, One more chance』が頭の中で流れる…。
『いつでも捜しているよ どっかに鍵の姿を テキストの棚 筆立ての中 こんなとこにあるはずもないのに~』
捜索開始してから30分…。
『謎解きはディナーの前に』と思い、鍵探しを始めたのだが、どんどんディナーの時間が遅くなっていく…。
もう限界だ…。
休日で誠に申し訳なく感じたが、どうしても鍵の行方を知りたくてLINEで聞いてみた。
すると廣瀧先生から
「申し訳ありません!業者対応の日に私が持ったままでした。」
との返事が…。
そりゃ見つからない訳だ…(笑)。
鍵の置き場所を、僕だけが知らされていないのかと思い悲しく思っていたが、安心した(苦笑)。
そして僕はキー!っと(鍵だけに)なることもなく、3階の掲示を直すことを見カギり(鍵だけに)、緑丘校を去っていった…。