「ハッッッッックション!!!」
爽やかな朝日よりも、可愛らしい小鳥のさえずりよりも、不愉快極まりない目覚まし時計の音よりも早く、自分のくしゃみで目を覚ます毎日である。
小学生の頃から夢現塾に通っている人はかつて書いたであろう『朝起きてから学校に行くまで』という作文。わたしの場合は「仕事」だが、作文を書くとしたら2行に1回は「ハックション」と入れなければならないだろう。文字数が稼げて羨ましい!!と思うかもしれないが、花粉症になることは絶対にオススメしない。100%、ならないに越したことはない。
さて、この1発目の「ハックション」、俗に言う「モーニングアタック」を合図に、わたしと花粉との戦いが始まる。関西圏に避難した4年間を除き、10年目に突入する大戦争である。
わたしの最大の武器は、人間の三大欲求の1つ「睡眠欲求」である。
そう、まだ起床時間まで2時間ほどあるのだ。
鼻をかみ、布団に潜り防御を固める。
しかし、くしゃみは止まらない。鼻水は垂れる。目は痒い。
でも、寝たい。寝たいのだ。
花粉が睡眠を邪魔しようと私は強い意志と我慢で眠りにつく。
両鼻にティッシュを突っ込み、マスクを装着する。防人もびっくりするほどの完全防備である。
あぁ、息苦しい。
しかし寝る。寝たいのだ。
我ながら睡眠への執念に呆れ返る。
もうそこまでするなら起きればいいのに。薬を飲みにいけばいいのに。
しかしわたしは断固起きないのである。
目覚ましが鳴る。
よく眠れた。今日もわたしの完全勝利だ。起きると外れて枕元に落ちているマスク。豊かな眠りをありがとう。
意識を取り戻すと、花粉は今までの静けさが嘘のように攻め込んでくる。
毎年毎年、よく飽きずに花粉を飛ばすものだなあ。
天気予報の「非常に多い」を睨みつけながら今日も支度をする。
新学期、新生活が始まる4月。
マスクをしているから怖そう、話しかけにくそう、元気なさそう。
そんなこと思わないでください。
花粉症と戦う全ての人々へ。
Bless you!