2017年もあっという間に終わってしまいそうだ。
冬期講座の中3生の授業が終わると、いつも寂しさが込み上げてくる。この子たちに教えることができるのも、あと10数回だとリアルに感じるからだ。
今年もたくさんの授業をし、たくさん誉め、たくさん励まし、たくさん叱り、たくさんの悩みを聞いた。
僕は塾長として、もの凄く厳しく、そしてこだわっていることがある。それは中途も新卒も含めた入社試験の採用基準だ。
生徒たちにプラスの影響を与えられる人間かどうか。
その一点に尽きるのだが、この基準の採用がなかなかうまくいかない。
今年も、新卒・中途に関わらず、多くの教師希望者に会って、いろいろな話をした。寸暇を惜しんで冬期講座期間の合間に行った採用試験もあった。
僕の勝手な判断であることは、重々承知いただきたい…暗い。元気がない。ユーモアがない。知性が感じられない。シャキッとしていない。説明がたるい。やる気になれそうもない…
夢現塾の教壇に立ってもらいたいかどうかなのである。
ずいぶん以前のブログに書いたのだが、僕は、小学4年生時の担任の先生が教師の鏡だと、今でも思っている。一番不貞腐れていた中学の頃の先生には良い思い出はない。高校は男子校だったため、一番美人な音楽の先生がもちろん好きで、もう一人だけ信用できる教師がいた。「白いランボー」だ。
僕は、埼玉県にある栄東という男子校(現在は共学)に推薦で進学したのだが、中学担任と僕の母の間で、「とにかく厳しい学校がいい」と話し合ったようだ。まあ、優等生には程遠い中学生だったから、仕方ない。今年、夏の甲子園で優勝した花咲徳栄高校の姉妹校で、進学に特化した高校を目的に作られた高校だった。だから、内申は全く見ず、2回くらいの模擬試験の結果だけで推薦が取れる高校だった。第一期生の受験は、受験生が多かったにもかかわらず、基準に満たなければ落として合格させないという強気な姿勢で、10名程しか入学させなかったらしい。信じられないことに、一人一クラス清掃していたと聞いたことがある。
僕は第八期生だったので、そんなことはなく、一学年は453名もいた。
とにかく恐ろしく厳しい高校だった。成績は毎回ビリまで張り出し、クラスも座席も全て成績順、朝と帰りには2.5キロずつの健康マラソン、授業は7時限、30キロのマラソン大会、勉強合宿…といった感じだ。
そうなると不貞腐れそうな生徒が出るものだが、不貞腐れようものなら大変なことになる。もう一つの姉妹校の栄高校(オリンピック選手を山ほど輩出している高校)から、出向してくるマッチョで、巨体な先生方がガンガン殴ってくる。一番巨体な先生には、学校に新日本プロレスのスカウトが本当に来ていて、驚いたこともあったくらいだ。
そんな体育会バリバリの先生方には、理屈は通用しない。
「なんでダメなんすか?理由はなんすか?」なんて反抗的な態度を取ったら、次の瞬間、
「なんでもじゃーーーーー!」と、分厚い手でビンタが飛んできた(笑)
仲間の一人は、持ち物検査で、怪しいビデオが見つかってしまい、約5日間教室に来られず、丸坊主になって戻ってきた。聞いたところ、視聴覚室で、母親の前でそのビデオが再生されたらしい。彼はそこからおとなしくなった(笑)。そんな話は山ほどある。現在の指導がどうかは分からない。今の時代、何かとマスコミが事件として扱うから、いくらなんでももう少し指導も穏やだと思うが…。気合の入った先生方の努力もあり、今では恐ろしい進学校になっている。ちなみに、共学になった最初の年の生徒に、なんと高橋先生の妹さんがいるのだ。OB名簿には当然、高橋先生のご実家の住所ものっている。彼とは不思議な縁である。
さて、「白いランボー」の話だ。色白で、七三分け、黒縁眼鏡の小柄な教師で、第一印象ではとてもじゃないが興味を持てる感じの教師ではなかったが、一度、体育館脇のトレーニングルームで、真剣に鍛えている姿をこっそりと見たことがある。その時の気迫とパワーは凄まじいものがあり、僕らの間では、当時流行った映画のランボーから「白いランボー」と呼ぶようになった。
遊んでばかりで成績も悪く、大した大学に行けそうもないなーと思っていた僕は、
「大学に行かないで働きたい」と、言い出した。
周りの先生は、よってたかって
「ふざけるな」「俺たちの進学率100%が壊れるじゃないか」「創立以来の努力と歴史に泥を塗るのか」と責め立てた。
そうなると却って意地を張ってしまう性格なので、
「僕の人生なので」と抵抗してしまう。
そんなことが続いていた頃、「白いランボー」が話してくれた。
「お前の言う通り、お前の人生だ。大学なんか行かなくていい。学校の記録なんかどうでもいい。まだまだお前は口だけで、甘い奴だから、一度働いた方がいい。苦しんで来い。世間の機微を学んで来い。そして、勉強がもししたくなったら、その時に大学に行けばいい。」
「白いランボー」は工業高校を出て、大企業に就職したことがあったそうだ。最初の研修で、大卒の幹部候補生研修と自分たちの研修の差が嫌になって、バイトしてお金を貯め、勉強して大学に入ったという異色の教師だった。最初の研修時の悔しかった話をいろいろとしてくれた。
自分たちが掃除研修しているときに、大卒のメンバーは組織図を見て研修していたこと。
ビルの一番上の階の会議室で、「彼らが君らの部下になる…」という話を聞いてしまったこと。
スタートからこんなに違うのか…と強いショックを感じたこと。
「俺はもっと上に行く」と決意したこと。
最後に、
「ただね、頑張って大学行ったけど、俺はお前に舐められるような大した教師にもなってないけどね」と笑っていた。
結局、しばらくはフラフラしていたために二浪もしてしまったが、あの時のことがずっとずっと頭から離れられなかった。「白いランボー」は、僕の人生に影響を与えてくれた、凄腕の大した教師であったことは僕自身が一番感じている。
夢現塾は、生徒たちの長い人生において、プラスの影響を与えられる教師集団でありたいと、ずっとずっと熱く思い続けている。
来年も「頭と心を鍛える総合学習塾」の教師として精進していくことを約束いたします。
保護者の皆さまへ
今年度も我が塾の方針をご理解いただき、送迎等におきましてはご協力いただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。良い年をお迎えください。
≪連絡事項≫
○冬期休校…12月31日(日)~1月6日(土)
○合格祈願バスツアー(中3のみ)…1月7日(日)
○1月生入塾説明会…1月7日(日)、幸田校はハッピネスヒル幸田にて
○中3定期テスト対策…1月8日(月)よりスタート → 中3テスト対策時間割
○1月初回授業…1月8日(月)よりスタート
追伸
冬期最終日、かなり面白い入浴剤を保護者の方から頂きました。皆、大喜びです。ありがとうございました。リフレッシュし、また熱い授業をしていきます。