雪に興奮する6年生たち。
頭に雪を付け「うわー、濡れたー!」と屈託のない笑顔で白く輝く結晶を払い落とす。
が、その笑顔とは裏腹、私の頭に浮かぶのは絶望のみだった。
(とうとう来たか…大寒波とやらが…)
中3の送迎が始まる頃には風も吹き始め、もはや吹雪となっていた。
小学生の反応とは違い、14・15歳ともなると雪には無反応。顔をしかめ、雪には目もくれず「寒っ。」と言いながら車を降りてくる。
やはり歳を重ねてくると「雪=迷惑な存在」だと気づき始めるのだろうか。
路面凍結、交通障害、水道管凍結…
こんな天気でも自転車で塾にやってくる強者もいることに驚くと共に、彼らが今夜無事に帰れるのか、お迎えが来られなくなるレベルになったらどうなるのか、と不安が押し寄せてきた。
しかし、そんな心配はなんだったのだろう?というほど、だんだんと天気も落ち着きを見せ、22時の時点では完全に雪は止んでいた。肌を刺すような強烈な冷たい風だけを残して…
朝、顔の寒さで起きた。
枕元のスマホを掴み、ふと開いたSNSには同じ写真ばかりがアップされている。
どうもこの寒さの影響で東京ディズニーシーのシンボル、アクアスフィアが凍りついてしまったようだ。
ニュースを開くと映像も写真も白一色。
これが大寒波か、と平和な岡崎の平和な布団の中で平和な時間を過ごしているときだった。
『
北海道では当たり前!?の砂箱ボックス』
という恐怖のパンダの写真と共にそんなタイトルが付いた情報が目に入ってきた。
“北海道では、自分が滑ると思ったところや、危ないと思ったところなどを見つけたら、道端にある砂箱ボックスから滑り止め砂を取り出し、道にまきます” とある。
さすが雪国北海道。備えが日頃から万全である。
函館市にはこんなボックスもあるそうだ。
「
受験にすべらない砂」
国道278号の維持管理や除雪作業をされている株式会社川村組土建さんが始めたものらしい。
-以下、案内表示より-
『凍結路面のすべり止めに散布する砂を受験にも“すべらない”との語呂合わせで用意しました。学問の神様、菅原道真公をお祀りする矢不来天満宮で合格祈願のご祈祷をしました。台紙には、風水で学問成就の色とされる緑色としました。袋は、丈夫なチャック付ポリ袋を使用しておりますが、“敗れる”ことなどないよう取り扱いには十分注意してください。』
実に粋な計らいである。無料とは思えないほどのこだわりだ。
愛知県のように、年に数回雪が降るか降らないかの県だと、やはり雪対策をどうしても怠ってしまうのが現状だ。
私自身、車はノーマルタイヤ、トランクにチェーンが積んである訳でもなく、そもそも付け方すら知らない。家に雪かき用のシャベルがある訳でもない。
一方で、常に積雪や寒さの危険と隣り合わせである雪国では、常に万が一を考え「滑らないよう」こうして事前に抜かりなく対策を取っているのだ。
何事も対策が重要。
「
滑らないよう」「
敗れないよう」「
転ばないよう」に。
受験生はもちろん、学年末テストを控えた1、2年生。漢地獄を控えた小学生諸君。
君たちにできる対策はどんなものがあるだろうか?
備えあれば憂いなし。