天王山(渡)
「おお!ここが天王山か!」
何年前かは忘れたが、京都から大阪方面に向かって名神高速道路を運転中に、「天王山トンネル」の表記を見て思わず興奮してしまったのを覚えている。
天王山は、京都にある標高270mの山であり、本能寺の変で織田信長を討った明智光秀と、信長の敵討ちを果たさんとする羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)が戦った山崎の戦いの戦地の1つである。見晴らしの良い天王山を先に制した秀吉軍が明智軍を破り、のちに秀吉が天下人となったため、勝敗を決める大事な局面、分岐点を「天王山」と呼ぶようになった。
(最近の研究では、天王山はあくまでも局地戦の1つで勝敗を左右するような影響はなく、数に勝る秀吉軍は最初から圧倒的に有利であったらしいが…)
戦国シミュレーションゲーム(信長の野望シリーズ)をきっかけに歴史好きになるという当時の王道路線を進んだ僕は、戦国時代関係の言葉や地名についつい反応してしまう。岡崎本校から緑丘校に移動中の交差点の信号にある「小豆坂」の表記ですらテンションが上がってしまう。(※小豆坂の戦い:織田信長の父である織田信秀と今川義元が戦った場所。ちなみに徳川家康の父、松平広忠も今川側で参加している)
さて、夢現塾では夏期講座のスタートが迫ってきた。
『夏は受験の天王山』
塾業界でよく使われるフレーズであるが、夏で志望校合否のすべてが決まるわけではない。実際には、受験生それぞれにとっての本当の天王山は夏が終わってから訪れるのかもしれない。しかし、この夏に多くの受験生が「本気」で勉強を始めるのは紛れもない事実だ。
自習室にはすでに「本気」になったアツい中3生たちが、天王山に向けて走り出している。