暗闇の中、校舎を出ると寒風が肌を凍らせすり抜ける。
マスクの隙間から流れていくのは、白みを帯びた息。
空には、くっきりとした冬の星座。
車のフロントガラスの氷結は、ワイパーを動かしても全く溶ける様子もない。ワイパーのガリガリと氷をなでる音だけが、静かな夜に溶けていく…。
いつもの冬がやってきた。
しかしいつもと違うのは、僕の頭の中である。
仕事を終えても、校舎の外に出ても、車に乗っても、家についても、寝ていても…、いつも以上に仕事のことを考えるようになった。
“やらなくてはいけないこと”と“やったら面白そうなこと”を何度も何度も脳の中で練り直す。
そしてそれらを、携帯に記録する。
僕のiPhoneのメモは、単語が大量に打ち込まれている。
僕のiPhoneの写真は、プリントに走り書きした写真が大量に保存されている。
中には「これはどういう意味だ?」という意味不明のものもある…(苦笑)。
外の寒さとは対照的に、脳の中は熱気を帯びている。
さらなる熱を上げる要因が、『緊急事態宣言』の再発令である。
1月になってからは寝る時間も惜しいほどに、やることが山積みである。
昨日(今日?)も深夜2時半過ぎまで、目黒先生とオンライン自習室に使う『Zoomの新しい設定』に挑んでいた…。
しかし今の世の中や状況に文句を言うのは『粋』ではないと、僕は思う。
世の中全員の人が、“新型コロナウイルス”や“現在の状況”と戦っている。
だからこそ今の状況の中で、何ができるかの最善を考えたい。
この激動の時代の中、縁あって出逢えた人達に幸せになってもらいたい。
夢現塾と関わる人達全員に、幸せになってもらいたい。
少しでも塾生・保護者・卒業生達の役に立てるように、夢現塾も僕も頑張っていく。
頑張れ受験生。
頑張れ夢現生。
熱を帯びた冬が過ぎれば、素敵な春が待っている。