10年前、毎週欠かさず見ていたドラマがある。SMAPの香取慎吾さんが主演をつとめた、
『西遊記』だ。
三蔵法師と共に、孫悟空、沙悟浄、猪八戒が、様々な困難を乗り越え、天竺を目指す道中を描いたものである。
久々に見たいなあと思い、軽い気持ちで借りてはきたが、毎話毎話考えさせられる内容であった。
その中で、なんと…
『夢現寺』というお寺が登場したのだ!
ただこのお寺。「夢+努力=現実」の、夢現塾とは大違いで、どんな小さな夢でも大きな夢でも何でも簡単に、努力など一切せずに叶えてくれる、まさに『夢を現実にするお寺』なのだ。
「簡単に夢を叶えられる」、きっと誰もが一度は憧れたことがあるだろう。
例えば、病気や事故に遭った者もここでは自由に動き回れる。
恋人や肉親や友人を亡くした者もここでは出会える。
夢現寺では、自分の本当にしたい欲望がここでは叶えられるのだ。
一見、最高のお寺じゃないか!と思うかもしれないが、敵の目的は、夢を見させて、たくさんの人を閉じ込め、皆を自分のものにすること。自分の叶えたい夢が叶うと、現実に戻るのが嫌になり、寺から出てきて行きたくなってしまうのだ。
みんなの中にも、テストも学校も勉強もなく、ずーっと遊んでいられたら、現実に戻るのなんて嫌だと思う子もいるかもしれない。
悟空は敵の手から、夢に溺れる人々の目を覚ませるためにを言葉をかけるのだが、その時の悟空の台詞にとても考えさせられた。
「これじゃ、夢に生きているだけで、現実を生きていないじゃないか?
明日を生きていないじゃないか?
どんなに辛い明日でも現実だからやって来るんじゃないか?
ここに居るのは夢を諦めた、現実を諦めた人間じゃないか?
そんなんじゃ、ダメだ!現実を、夢を諦めたらダメだ!
今目の前にある明日を生きなきゃダメだ!自分の手で新しい夢を見つけて、明日に向かって歩き続けなければいけないんだ!」
人生、楽しいことばかりじゃない。
小学生でも中学生でも大人の私たちだって、嫌なことは沢山ある。でも、楽な夢を見るのは逃げることと同じ。目の前の現実から逃げずに立ち向かっていくことが大切だ。
みんなも明日、明日を強く生きていこう!