日本の名字の8割は地形(地名)由来で、山、川、池、田、畑、木、林、森などの地形に、前、中、上、下、大、小、高など、その位置関係や大きさなどの形容詞を組み合わせるのが多い。
渡辺先生のブログからの引用だ。
このブログを読んだとき、僕はあることを思い出した。
それは、欧米人の名字の「成り立ち」についてである。
簡単にまとめると、日本人は「自然」由来が多く、欧米人は「職業」由来が多い。一方で、「家系」が由来のとなるケースがあるのは、日本も欧米も共通している。
「職業」由来の具体例はこうだ。
・ウィル・スミス(Smith=鍛冶屋)
・タイガー・ウッズ(Woods=森・木材)
・ブラッドリー・クーパー(Cooper=樽職人)
ミラー(製粉業)、カーペンター(大工)、ベイカー(パン職人)など、先祖の職業がそのまま名字になっているケースが目立つ。
現役の中学生は知らないだろうが、昔の教科書に登場する先生役もそうだった。
ベイカー先生だ。彼女の先祖はきっとパン職人だろう。
さらにもう一つのパターン、欧米の「家系」の具体例も見てみよう。
こちらは日本とは少し異なり「誰の子か」での識別になる。
・マイケル・ジャクソン
・ハリソン・フォード
・スカーレット・ヨハンソン
これらに共通する「~ソン」は英語の
son、つまり「〜の息子」を意味する。
そしてこの発想は英語圏だけではなく、例えばクロアチアなどでは、「-vić(ヴィッチ)」という形が使われる。
・ルカ・モドリッチ
・イヴァン・ラキティッチ
この「-vić」も、「〜の子」「〜の子孫」という意味を持つ。
つまり、英語の「-son」、クロアチア語の「-vić」
どちらも本質は同じで、「誰の系統か」で人を識別する仕組になる。
他の国の仕組みについても調べてみた。
北欧(スウェーデン・デンマークなど)
son / -sen
・Andersson(アンデション)=Andersの息子
・Nielsen(ニールセン)=Nielsの息子
英語の「-son」とほぼ同じ仕組みだ。
ロシア・ウクライナなど(スラヴ系)
ov / -ev / -ovich
・Ivanov(イワノフ)=Ivanの家系
・Petrov(ペトロフ)=Peterの家系
「〜に属する」「〜の一族」というニュアンスになる。
アイルランド・スコットランド
Mac / Mc / O’
・MacDonald(マクドナルド)=Donaldの息子
・O’Connor(オコナー)=Connorの子孫
Mac=「息子」
O’=「子孫・一族」
このように見ていくと、名字とは単なる名前ではない。
その国の歴史や文化、社会のあり方そのものが刻まれているものだと分かる。
このブログから、海外の名前の由来に興味を持ち、英語にも興味を持ってもらえたらうれしい。
言語を学ぶことは、その国の文化を学ぶことでもある。
英語を教えるたびに、この言葉の意味を強く実感している。
最後に、日本と欧米の名字の由来についての違いをChatGPTに問いかけた。すると、こう答えが返ってきた。
“それは、「人をどう区別するか」という社会の仕組みの違いにある。日本は農業中心の社会で、同じ土地に住み続ける文化だった。だから「どこにいる人か」で人を識別した。日本は、「場所で人を識別する社会」だった。一方、ヨーロッパでは都市や商業が発達し、人の移動も多かった。同じ名前の人が同じ場所にいる状況が当たり前に起こる。そこで必要になったのが、「何をしている人か」での区別をする。つまり欧米は、「役割で人を識別する社会」だった。“
歴史の勉強は、こうしたところにもつながっているかもしれない。