ご存知のとおり、夢現塾には
『自習室』がある。
各校舎によって生徒との距離感は異なるが、生徒と最も近いのはやはり緑丘校だろう。
生徒たちが勉強する傍らで、僕らも昼食をとったりすることが度々あるので、ちょっと恥ずかしかったりもするくらいだ。
そんな自習室では、1時間に5分ずつ休憩をとる。
たった5分の休憩であっても、生徒たちは思い思いの行動をするから面白い。
ほんの数分であっても仮眠をとろうとする生徒、ただひたすらボーっとする生徒、一人の生徒のところに集まり何やら密談(?)をする生徒などなど、様々である。
ある日の緑丘校の自習室休憩中、3年生のHさんは文庫本を手に一人で読書にふけっていた。
その手に見える表紙には、なんだか見覚えがある…。
「あ、それ昔読んだことある!たぶん実家の本棚に同じのあるよ!そうそう、宮本輝はけっこう読んだな~」
遥か昔19歳の自分が読んだ小説を、令和の中学生が読んでいることが、なんだか嬉しい。
そこで『錦繍』っていつの作品だろう?と調べてみたところ、発表は1982年。
なんと40年以上前の作品ではないか!?
また、昭和生まれの我々には、”宮本輝”といえば映画化もされたこの『優駿』がすぐ浮かぶが、『錦繍』はそれ以前に発表された作品だったことを今回調べて初めて知った。
「そういえば模試の現代文の問題に宮本輝の『星々の悲しみ』って作品が出題されてね、試験が終わった後どうにも続きが気になって、帰りに買って帰ったんだよねぇ…」
ストーリーの全て思い出されるわけではない(いや、むしろほとんど覚えていない)。
だが1冊の本の表紙で、フリーの学生
(※浪人中)だった19歳の頃の思い出が頭の中にいくつも浮かび始める。
その内容は覚えていないけれど、読んだ当時の思い出の欠片が次々と脳内にあふれ出し、色鮮やかな映像となっていくではないか。
本ってスゴイな。
そういえば、久しく『小説』というジャンルの本を読んでいない…。
久しぶりに何か『小説』を読んでみようか?
こんな気持ちにさせてくれた緑丘校のHさん、本当にありがとう。
それにしても、『錦繍』って、けっこう ”大人の” 恋愛小説だったよなぁ~。
中学生にはちょっと早いんじゃない?(笑)