10月16日から、『緊急取調室』というドラマ、通称“キントリ”が始まった。このドラマから年末公開の劇場版へと話が繋がり、その映画で完結となる。
キントリとの出会いは、大学生のときだった。友人から、「絶対ハマるから観てほしい。そして感想を語ろう」と熱い言葉をもらったのがきっかけだ。
その友人はちょうど私の好みのツボをつくのがうまく、少し前に薦められた『NARUTO』にはかなりハマってしまった。720話もあったアニメを、ほんの2か月弱で観終わってしまったほどだ。(笑)
登場人物一人ひとりの成長していく姿に心を動かされ、まっすぐな言葉に涙ぐんでしまうシーンも少なくなかった。今はスピンオフ作品の『BORUTO』にも手を伸ばすほどのハマり具合に、自分が一番驚いている。
そんな、私以上に私の好みを理解している友人から、初めて薦めてもらったのがキントリだった。
他の刑事ドラマと若干テイストが違い、話の冒頭で既に容疑者は逮捕されていることが多い。そこから、取調室でのやり取りを通して容疑者の本音に迫っていくのが話のメインだ。
キントリにハマるのに、時間はかからなかった。
取り調べをする際の言葉での攻防戦。ただ供述を吐き出させるだけではなく、犯人がもう一度人生をやり直せるように、心に訴えかける。最後には、厳しくも時に温かい言葉に、犯人の本音が漏れていく。
始めはひょうきんだった容疑者が、最後にはボロボロと涙をこぼしながら本音を語ったり、逆に始めは落ち込み反省していた容疑者が、事件の真相が暴かれるに連れて「自分は悪くない!」と感情を爆発させたり。
初めて観たとき、たった1時間のドラマでこうも感情を揺さぶられるのか、と思った。
そしてキントリでは、なかなか解決に近づけなかった事件がついに動きそうだというとき、天海祐希さん演じる真壁警部補がある言葉を発する。
「面白くなってきたじゃない?」と。
私はこのシーンが大好きだ。
難しい事件だろうとひるまない。事件の真相がやっとわかる、ということだけでなく、取り調べをする側の心の動きも見えるのが、キントリの面白いところだ。
勉強でも、難しい問題に出会うことがあるだろう。
でも、簡単にひるんではいけない。「必ず解いてみせる!」そんな強い気持ちをもって取り組む。
そして、なかなか答えに辿り着けなかったとしても、「面白くなってきたんじゃない?」と自分を鼓舞して問題と向き合う。
簡単には諦めないことの大切さを、キントリ、それから『NARUTO』や『BORUTO』を観て、再確認している。
もしかしたら、あの預言者のような友人は、私がそういうひたむきな人間模様を描いた作品が好きなのだと、早々に気付いていたのかもしれない(笑)