社会人になった最初の年のことだ。
埼玉県から静岡県に引っ越しして、新人プロ教師として燃えていた。
仕事終了後も、毎日のように、先輩たちと食事したり、同期の仲間と食事したりしながら夢を語り合い、帰宅してから授業の組み立てを勉強し、理想の教師になることに必死だった。
そんなわけで、自炊することもほとんどなく、洗濯も、たまにある休日に一気に片づけていた。プレゼントでもらったりした複数のパジャマも、洗濯物としてどんどん溜まっていく。その中に、一つだけ恐ろしいデザインのパジャマがあった。昔の友人が冗談でくれたのだろう。巨大なスヌーピーのパジャマだ。当時、大の犬嫌いだった僕への、ギャグ(?)のプレゼントだ。
ある夜のこと。他に適当な着るものがなく、仕方なくそのパジャマを着てプリント作成をしていた。ただ、どうしてもコピーしたいものがあり、近所のコンビニにそのまま向かった。深夜2時過ぎである。誰にも会わないはず。コピー機を回していると、目の前に車が止まった。チラッと見ると、中学生くらいの女子と母親だ。ん?ヤバい!教え子だ。僕は慌ててコンビニの奥に向かったが、どういうわけか、そのお母様と生徒に挟み撃ちをされてしまった。
お母様「やっぱり、目黒先生だ!こんばんは~!」
生徒
「こんばんは~!」
目黒
「こ・こ・こんばんは。」
お母様
「先生、スヌーピーがお好きなんですか?」
キターーーー!両手で隠したつもりだったが、スヌーピーの大きさは隠せるものではなかった。人生最大の恥ずかしさだった。返す言葉もしどろもどろになる。
目黒
「いやいやいや。たまたま家にあったもんで…」
お母様
「可愛いですもんね~」
生徒
「先生、大丈夫、言わないから~」
目黒
「お。おぅ。頼むぞ…」
それ以来、たとえわずかな距離でも、たとえちょっとした用事でも、ちゃんとした服装で外出するようになった。(苦笑)
今では笑い話に出来るが、顔から火が出た経験の一つだ。ちなみに、彼女の卒業の際、お母様からマグカップのプレゼントを頂いた。そのマグカップのキャラクターが何だったのかは言うまでもない。(恥)
追伸
現在の中3英語教科書にはキティちゃんが登場する。ご存知だろうか、キティちゃんが猫ではないことを。数年前、世界中を驚かせたニュースが流れた。サンリオは「
ハローキティは猫ではありません。 彼女は小さな女の子です。彼女はお友達です。でも猫ではありません。 彼女は四つんばいにはなりませんし、彼女は2本足の生活で、歩いたり座ったりします。彼女にはペットもいます。」と発表したのだ。ちなみにこれを受けて、スヌーピーの公式ツイッターでは「僕らは確認する。間違いなくスヌーピーは犬であると」とつぶやかれた(笑)。