【驚天動地】きょうてん-どうち
世の中を大変驚かせること。聞いた人たちをひどく驚かせるような出来事や事件の形容。
「天を驚かし地を動かす」とも読む。
現在、名古屋四季劇場で公演中の『バケモノの子』のキャッチコピーがこの四字熟語である。
四季の会会員になって早14年。観てきた作品は35本以上。
だが、バケモノの子だけは観に行かないだろうと1週間前までは本気で思っていた。殺陣の場面があったり、現代の渋谷が登場したり、衣装も煌びやかでなく現代の私服で舞台を駆け回る世界観が、私の考える四季のミュージカルには合わないと思っていたからだ。
が、この【驚天動地】という4文字がここ数日、私の頭に何度も何度もよぎった。
テレビのCM、電車の広告、ホームページ、SNS、あらゆる場所であらゆる場所から私にこの【驚天動地】を体感せよと伝えてくる。
なんとなくアクセスしたホームページを見てみると、ぽつんとセンターブロックの良席が空席となっている。キャンセルで出たのだろう。
舞台の神様も観に行きなさいと言っている。迷わず購入した私は、翌日には劇場にいたのだった。
劇場の通路には、ズラリと公演中の作品のポスターが貼られているのだが、そのポスターのキャッチコピーを眺めるのも、私の観劇する際の楽しみの一つとなっている。
そのどれもが「そうそう!」と思えるものばかり。
ライオンキング
【世代をつないで25年。】
ウィキッド
【何もかも違うあなたがいる だから世界は美しい】
アラジン
【感動という名の魔法にかかる】
アナと雪の女王
【心ふるわす愛の物語を今こそ。】
バック・トゥ・ザ・フューチャー
【未来を決めるのは、いつだって自分だ。】
美女と野獣
【人は、愛で生まれかわる。】
毎年、いや早ければ毎月変わるこのキャッチコピー。短く、かつ、観たいと思わせるインパクトある文言を考え出す宣伝部の方はすごいなぁ…頭柔らかいなぁ…と、舞台を観なくともポスターだけに感動させられることは度々ある。
こうしてポスターを眺めながら、今ふと浮かんだ言葉がある。
【頭と心を鍛える総合学習塾】
夢現塾のキャッチコピーだ。私が就職活動中、この塾を受けようと決めたキャッチコピーでもある。
“生徒からすれば、塾は成績を伸ばすためだけに行く場所。塾側からしたら、生徒が成績をのばしてくれればなんぼの世界。”と塾に通ったことがなかった私は、この思い込みから塾業界は受けないと決めていた。
が、「頭と心」の両方を鍛える、をウリにしている夢現塾は、私がずっと抱いていた「誰かの人生に影響を与えるような仕事に就きたい」という理想にぴったりだった。
あれから十数年。
今まで送り出してきた卒業生の何人が、毎週会っている現塾生の何人が私に出会えて良かったと思ってくれているかは分からない。しかし、人生に影響を与えるような教師でありたい気持ちは、昔も今も変わらず私の胸の中にあり続けている。
慣れ・ダレ・崩れ=去れ。(劇団四季の教訓)
毎日の仕事、毎週会う生徒たちに慣れて、ダレて、崩れぬよう、初心忘れず、目の前の生徒たちをどうやったら幸せな未来に導いていけるかだけを常に考えていきたいと思う。