某日午前9時30分、僕はイオンモール岡崎にいた。
開店前から並ぶのは、スパイファミリーの限定グッズをもらうために娘と来て以来だ。(笑)
奥さんが教えてくれた。
ある自動車が展示されるイベントが行われるというのだ。
以下、トヨタ博物館の展示説明より引用させてもらった。
「ロータス社(イギリス)が設計し、ジウジアーロ(イタリア)がデザインしたこのクルマは、ガルウイング式ドアとステンレス製ボディが特徴。しかし、同社は事業的には成功せず、生産開始から1年後(1982年)に倒産。8,000台余りが生産されただけだった。」
この説明を見て分かった人は素晴らしい。
そう、その車は「デロリアン」だ。
夢現塾の日報にもたびたび登場する映画「バックトゥザフューチャー」でタイムマシンとして使われていた車だ。
それがイオンモール岡崎に来るという。
連休の合間の平日だったため、余裕をもって9時30分に到着した…つもりだった。
「!!!」
入口の前に明らかに不自然な列がすでに出来上がっている。
ユニクロのセールに並んでいるのかとも思った。
しかし、それは僕の思い違いであることが分かった。
Tシャツに映画のロゴがプリントされている人が何人もいたからだ。(笑)
かつて三部作をそれぞれ10回以上見た時のワクワクがよみがえってくる。
正直、40年近くも前の映画の展示にそれほどの人が集まるのか、実は油断していたのだ。
「まずい!ひょっとして見られないのではないか。」
そんな焦りが僕を襲う。
でも、そんなはずはない。
イオンの1階イベントスペースは、吹き抜けになっており、周りからでも見られるのは岡崎市民ならみんなご存じだと思う。(苦笑)
開店と同時に走る人がいる。まるでディズニーランドの開園のようだ。
入口の列は礼儀正しい日本人が自然に作り出したもので、本当に並ばなければいけないのはイベントスペース前だったのだ!
スタッフの方が「最後尾」のプラカードを持っている列が見えた。
「ここか!」
僕と奥さんは息を切らしながら並んだのだった。
順に整理券が配られ、僕たちが手にしたのはすでに昼12時のものだった。
未だに衰えることのない映画の人気に、胸を熱くした時間だった。
数日後、うるさいくらいに横で解説しながら娘と一緒に映画を見たのは、言うまでもない。