2学期以降は「中3土曜特訓講座」などで大忙しだが、1学期の土曜日は比較的に時間の余裕がある。本日7月15日の土曜日は全校舎とも「夏期特訓講座前」の大掃除だった。エアコンのフィルター清掃、蜘蛛の巣撲滅、トイレ掃除を中心に全教師が汗だくで働いていた。そんな今日の僕らの状況を予想してくれていたのか、1週間前の土曜日は卒業生の来塾が多い日だった。
14時30分に約束していたのは豊田高専に進学し、高専の留学制度を活用して、なんとロシア近くの「エストニア」に留学していた19歳のOくん。帰国したばかりの報告に来てくれた。まずは彼の風貌に驚いた。僕らが知っていた小中学生のOくんは、愛嬌もユーモアもあるが、あまりオシャレを気にしない感じの男の子だったが、そんな彼が大大大変身していたのだ。そう、豊田高専は愛知県で最も自由な学校である。金髪に染めようが、パーマをかけようが、ピアスをあけようが好き放題である。彼もそんな環境の中で自分をしっかりと主張するようになっていた。正直、なんか嬉しかった(笑)。
将来のこともそうだが、エストニアの話でずいぶん盛り上がった。彼は高専でも大人気の情報工学科に進学しており、今回の留学も「IT先進国の一つであるエストニアで学んでくる」というテーマだったらしいが、現実はずいぶん違ったようだ。彼のホームステイ先はWi-Fiすらなく、エストニアの中でも超田舎で、隣の家が2キロくらい離れているとのことだった。実際にGoogle mapで説明してもらったが、あまりの田舎に大笑いした。簡単に言うと北海道の大きな牧場のような風景である。しかしながら、ステイ先の家族はとても素晴らしく、世界で110万人しか話せないエストニア語もそこそこマスターし、何よりも会話のそこかしこから、彼の人間的な成長が感じられ嬉しかった。
続いての16時00分には22歳になった3名との約束だった。そのうちの2人(Oさん、Sさん)は岡崎高校から医学部に進学している二人。この二人については1年以上前に「親友物語」という題でブログを書いたことがある。下記にリンクしたので良かったら読んでくださいね。
親友物語
二人ともあいかわらず仲良く、元気で、パワフルで、面白く、本当に嬉しかった。医学部といえば、当然「解剖学実習」を行うのだが、身振り手振りでいろいろと説明してくれた。夢現塾の卒業生は医学部進学が妙に多いが、皆が口を揃えたように言う「スプーンみたいな器具で眼球をすくうのが超怖い説」について尋ねると、「それもだけど、眼球をメスで半分に切断するのがかなり厳しかったです~(涙)」との、さらに恐ろしい話だった。しかしながら、Oさんは「コツ」を掴んだとのことで教えてくれた。これから医学部を目指す塾生たちにぜひ伝えておきたい!それは「ごめんなさい!」と心で叫びながらメスを入れるとのことだった(笑)。これで大丈夫と先輩がおっしゃっていたから間違いない(笑)。他にも、血がものすごく苦手だけど「精神科医」になりたくて我慢している子がいるとか、すっごい大金持ちの子がいるとか、医学部の子たちの話は毎回毎回本当に面白い。ただ何よりも彼女たちの仲の良さが本当に嬉しい。
で、最後の一人(Fさん)についてだ。医学部進学した二人とは中学も高校も異なるが、同時期に、夢現塾で小学生からずっと一緒に頑張った仲間であり、友達でもある。
Fさんは本当に頑張り屋だったが、どこか自信を持ちきれず、それが定期テストや模擬試験などに影響しやすい、教師としてはかなり心配させてくれる生徒だった(笑)。そんな彼女も、最終的には第一志望の岡崎北高校に見事合格し、僕らを最高に喜ばせてくれたのは忘れられない。その後、県内の有名大学に進学し、さらに喜ばせてくれた。
今年3月、夢現塾公式LINE(卒業生用)を通じて、久々に彼女からのLINE連絡があった。
~Fさん~
目黒先生、お久しぶりです。Fです。まだ覚えてくださっているでしょうか?
4月から大学4年生になるため就職活動を頑張っています。サービス業が好きで、結婚式場でアルバイトしていて就活もサービス業で探しています。
京都の〇〇(有名ホテル)と、東京の〇〇(有名スイーツ会社)に内定したのですが、どうしてもエアラインの夢を諦められなくて、今必死にTOEICを勉強しています。年末から勉強し始めてまだまだですが、昔目黒先生に言って頂いた「Fは、制服を着て働くような仕事が似合うよ」という言葉を現実にしたくて頑張っています。
難しい挑戦ですが、いい報告が出来るように全力を出し切ります!
卒業してからも、なにかを叶えたいと思った時、夢現塾時代の先生方の言葉を思い出します。
廣瀧先生が問題を解く前に言って下さっていた「完璧な回答を!」や「勉強できるって事は贅沢なんだよ」という言葉だったり、目黒先生の「自分に自信がないから成績上がらないんだよ」という言葉も今なら意味がわかる気がします。
卒業後の私も支えられています。
ご多忙の中かと思いますが、今の生徒さんにも夢を与え続けてください‼︎
以上、お久しぶりのご報告でした!
嬉しすぎる内容だった。そう、先ほども書いたように彼女は「自分に自信を持ちきれない」部分があって、心配していた。だから、良いところをいっぱい見つけて、褒めてあげようと思っていた。しっかりと努力のできる彼女に自信を持って歩んでほしかった。その一つが彼女の「姿勢」だった。いつもスラっと姿勢よく座り、制服や私服なんかも崩して着ず、上品にキチっとしている印象だった。だから三者面談で「Fは航空系とか高級ホテルとかビシッとした制服を着て働くような仕事が似合うよ」との発言となったのだ。7年も前のことをよく覚えているな…と感激していた。
~目黒~
バッチリ覚えているよ👌就活かー、早いなぁー。
うん!制服似合うよ!後悔のないように頑張ってな!
また隙間見て、顔出せよ!
意志あるところに道は開ける。
と返信した。
それから4か月後の先日、以下のLINEが送られてきた。
~Fさん~
目黒先生
お久しぶりです
緑丘校でお世話になっておりましたFです
〇〇〇(某大手航空会社)のグランドスタッフに内定致しまして、来年の春から羽田空港で働くことになりました
3月にご連絡させていただいていたので、内定できたらお伝えしたいと思っておりました。
意志あるところに道は開けました
勇気づけてくださりありがとうございました
~目黒~
やったー‼️似合うぞ‼️
羽田かー。第三ターミナルの4階?にある「こんが」のおにぎり🍙むちゃくちゃ美味いぞ😋
おめでとう㊗️
また顔出してな!
嬉しいー。
教え子たちが逞しく夢を叶えていくことが本当に嬉しい。最高の気分だ!
というわけで、夢現塾公式LINEを通じて、予定を合わせ、彼女たち3人と会ったのである。3人とも中学生時代の眼鏡姿ではなく、すっかりお姉さんとなっていた。皆、自信を持ったいい顔だ(左から順に、Fさん、Oさん、Sさん)。
来週からはいよいよ夏期特訓講座が始まる。120名以上の新たな生徒たちとも出会う。僕らの熱い思いを全力でぶつけて、彼らの人生の角度を1度でも2度でも上に上げてやりたい!
Where there is a will, there is a way.
意志あるところに道は開ける。
※上記本人たちに掲載の許可をもらいました。