「がんばれ自分!!」
ノートの片隅に大きくペンで書かれた文字。自習室でたまたま目に入ったノートには、自分自身を奮い立たせるメッセージが書いてあった。
(へ~…自分を励ましているのか)
そう思い、何気に目線を他の子のノートに向けた私。
「ぜってぇ寝るなよ!!!!」
今度は、睡眠禁止を訴えかけているノートに遭遇。
(なんだなんだ…流行っているのか!?)
もはや宝探し状態で、自習室内をぐるぐる回る。もちろん、寝ている子がいないか、ぼーっとしている子はいないか探るため…ではあるが、開いてあるノートを血眼で探していく。
(いた!)
「自分に負けるなーーーーー!」
(負けるなよー!)
「お前ならで!き!る!」
(そうだ!で!き!る!)
ノートの端に書いてあるメッセージを発見するたび、私も心の中で密かにメッセージを送る。
勉強は自分との戦い。自分を奮い立たせるのも自分なのだ。
あの太宰治の『走れメロス』の主人公メロスでさえ、作中の中で
「走れ!メロス。おまえは真の勇者だ。」と自分自身を奮い立たせている。自分をいい方向にもっていくのも自分、駄目にするのも、また自分なのだろう。
そんなことを考えながら、自習室を去ろうとした時であった。
ふと、あるメッセージが目に飛び込んできたのだ。
「お前は誰だ?そう!お前は○○(その子の苗字)だ!お前にできなくて誰ができる!」
強いメッセージだった(笑) 自分への自信に満ち溢れていた。きっと彼は、分からない問題に突き当たるたびに、思うのだろう。「俺は、○○だ!できないはずがない!」と。
どんなことも最終的には自分次第。這い上がるのも自分次第。どうもメッセージを書くのが流行っているようなので、君たちのようにノートではないが、私は、私自身にではなく、夢現塾生にメッセージを送りたいと思う。
「君たちは誰だ?そう、君たちは夢現塾生だ!君たちにできなくて誰ができる!」