11月6日。あの日はどのニュース番組をつけても、どのネットニュースを見ても、どのSNSを見ても、世間はこの4文字に完全にジャックされていた。
「
キムタク」
そう、あの俳優の木村拓哉さんが岐阜市の「ぎふ信長まつり」に織田信長役で登場したというあの日だ。
その一方で、このような掲示が話題になっていたのをご存知だろうか。
大いに盛り上がりをみせた岐阜市のお隣の市、各務原市のある寺院の前の法語がだそう。
こちらもキムタクと同じぐらいTwitterで話題になっていた。
この言葉はこのお寺のご住職が考えたものではなく、10年ほど前に飲食店のトイレで見かけたそう。
そのとき「一見ふざけた言葉に見えるが、仏教的な言葉だ。キムタクになる必要はない。誰とも代わりの利かない命を生きている。ありのままでいいのだ。」
重ねて、「天上天下にただ一人、誰とも代わることのできない人間としてすべての人は尊いという意味、つまり仏陀が生誕時に言ったとされる
“天上天下唯我独尊(私より尊い者はいない)”」だと、捉えたそうだ。
人間生きていれば、ふと隣の芝生が青く感じる瞬間は何度もある。
「もしこうなら……」と後悔することもある。
私も散々人と比べ、自らコンプレックスを勝手に増やしては落ち込んできた人間だ(笑)
しかし、どんな自分も自分。もがいてあがいて嘆こうが、死ぬまで自分は自分なのだ。
唯一無二の存在。唯一無二の人生。
「
ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン。」
まさにかつてキムタクが所属していたSMAPの大ヒットナンバー『世界に一つだけの花』の歌詞通りである。
が、私はこの歌詞にこう付け加えたいと思う。
「
されど、“オンリーワン”に甘えることなかれ。」
もともと特別なオンリーワンというのは、家族や友人、恋人、つまり替えが利かない人のことを指すのだろう。しかし、当人と関わりがない人からしたら、特別なオンリーワンである自分など、その他大多数でしかないのだ。
就職活動はまさに良い例だ。オンリーワン度ではなく、自分が他と比べてどういう点で秀でているのか、どういう点がナンバーワンなのかをアピールする場である。
“学歴フィルター”なんていう言葉もあるが、「学歴の高さ=頭の良さ」だけでなく、人よりも努力できる、または人よりも努力してきた人として、学歴というのが判断材料にされやすいのは安易に想像がつくだろう。
みんなは人より優れているものはあるだろうか?
強みはあるだろうか?秀でているものは?ナンバーワンのものはあるだろうか?
自分にしか持っていないナンバーワンの何かを見つけ、または創り出し、そして磨いていく。
こうして本当の「
唯一無二の自分」は生まれるのだと私は思う。
勉強はもちろん、スポーツでも、音楽でも、自分の性格面でも、特技でも、雑学でも…
ジャンルはなんでもいい。ナンバーワン目指して磨いていこう。
俺はキムタクになれないが、
俺もキムタクぐらい、いや、キムタク以上に魅力や強みあふれる人間だ。
俺こそナンバーワンだ。
と堂々と言える人生でありたい。