小学生の時に見た「ドラえもん のび太と恐竜」で涙してから、恐竜の世界に足を突っ込んだ記憶がある。もちろん涙したのはのび太が鼻でスパゲッティを食べる場面ではなく、のび太とピー助(のび太が育てた恐竜)のお別れの場面だ。
体長が何十メートルもある恐竜が地上を動き回り、肉食の恐竜が草食の恐竜を襲うという破壊力のあるシーンは、あの頃の僕の心を震わせるのに十分だった。もし、当時に映画「ジュラシック・パーク」が上映されていたり、福井県勝山市にある恐竜博物館に行くことができていたりしていたら、恐竜の世界によりどっぷりと浸かっていただろう。
その時に学んだ知識の1つに、恐竜は「絶滅」したということがある。巨大な隕石の衝突による直接的なもの、そしてその後に起こった気候変動による植物の生態系の変化などが原因とされている。
ところが、その恐竜は今も生きていることが証明された。といっても、ネス湖のネッシーや屈斜路湖のクッシーのような未確認動物UMAのことではない。今も生きている恐竜、それは「鳥」である。「始祖鳥」と呼ばれる鳥類に似た化石が発見されて以降、鳥類は恐竜の子孫であるといわれてきたが、近年の研究の結果、恐竜の子孫というよりは、鳥は恐竜そのものだということだ。
つまり、隕石の衝突で絶滅した恐竜は地上や水中で生活していた恐竜で、飛ぶことができた恐竜たちは生き残り、今も地球上で「鳥」として生き続けているということだ。進化の過程で翼をもった恐竜。それが今でも大空を舞っているのだ。
夏期講座も終わり、2学期がスタートした。受験を控えた中3生をはじめ、それぞれの努力によって多くの夢現生の背中に翼が生まれている。自分の未来へ向けて大きく羽ばたくために、その翼に磨きをかけ、さらなる進化を遂げてほしいものだ。