「先生さ、レアポケモン捕まえた?」
今日も小学生からの質問が飛ぶ。
ここ最近、社会現象を起こした、
ポケモンGO。
何を隠そう、わたしも流行りに乗っかった
ポケモントレーナーである。
夏期講座中は、毎日のように小学生から「いいポケモンはあの公園にいるよ!」「先生の一番強いポケモンは何?」「昨日何匹捕まえた?!」と、寄って集ってポケモントークが投げかけられた。
その話に全力で花を咲かせる、いい歳した私。
ばりばりのポケモン世代の私にとっては、夢のようなアプリ、ポケモンGO。自分がいる世界の中に、本当にポケモンが生息している感覚を味あわせてくれる。これは世間が騒ぐわけである。
さて、これもポケモンGOの影響なのだろうか?
ある日友人から、「フシギダネに似ている」と言われたのだ。
ご存じない方もいるであろう、これがそのフシギダネ。完全に怪獣扱いである。
※犯罪者みたいになっているが、諸事情のため、完全な画像を掲載できません。
そしてまたある日。今度は小6の子が私の顔を指さし、叫んだ。
「先生ってさ〜あれ、ほら〜…あれだよ!あのポケモンに似てるよね!」
(まさか…またフシギダネか?!)
「えーーーーーっとねえ…….あっ!!!!!ムチュールだ!先生ね、ムチュールにそっくりだよ!」
「ん?!なに?!」
「ムチュールだよ!先生ね、それにそっくりだよ!」
(なんだ…?!ムチュールって…)
私の時代には、まだ151匹しか存在してなかったポケモン。その数は年々増え続け、現在721匹。分かるはずがなかった。
ムチュール…一体何者なんだ…
気になりすぎた私は帰宅後、一人、自宅のパソコンと向き合った。
『ムチュール』 特性:うるおいボディ タイプ:こおり/エスパー
くちびるが いちばん びんかん。なんでも まず くちびるで ふれて どんなものか かくにんする。
画面に映し出されるポケモンの特徴を、真剣に熟読する、ポケモンっぽいらしい私。
(唇でなんでも確認する…なんと…とんでもないポケモンだな…)
しかし、
「うるおいボディ」というワードに少し喜ぶ私がいた。
が、その数秒後、ムチュールの進化系を知って、一瞬で凍りついてしまった。
ムチュールが進化を遂げると、これになるようなのだ。
『ルージュラ』 特性:乾燥肌 タイプ:こおり/エスパー
にんげんのような ことばを はなすが まだ なにをいっているか ふめいで げんざい けんきゅうされている。
(いやだ…こんな見た目になりたくない…
しかもうるおいボディから乾燥肌に退化している…(泣)やだよぉ…)
一人悲しく部屋でパソコンを閉じる私。
せめて…せめてムチュールのままでいたいと願う私。いや、だめだ。私は日々進化したい。ルージュラなんかになりたくない!
もう一度パソコンを開き、キーボードで叩いた文字、そう。「フシギダネ」。
『フシギダネ』 特性:新緑 タイプ:くさ/どく
うまれたときから せなかに ふしぎな タネが うえてあって からだと ともに そだつという。
進化を遂げると…
『フシギバナ』 特性:新緑 タイプ:くさ/どく
おおきな はなびらを ひろげ たいようの ひかりを あびていると からだに げんきが みなぎっていく。
(こ、こ、これだ!!!)
フシギバナが太陽の光を浴びて元気がみなぎるように、私も毎日、太陽の光の様にまぶしい夢現塾生の元気な姿を見て、体に元気がみなぎっていく。私もこのポケモンのように、大きな大きな花を咲かせたい。フシギダネからフシギバナに進化するんだ!
よし、明日も頑張っていこう!
そんなことを思いながら眠りについた日なのであった。